ラグドール
ラグドールで知っておきたい、心臓・おしっこ・おなかのことをまとめました。海外の研究と日本のデータの違いも紹介します。
体の特徴
イギリスの動物病院の記録(2019年)では、成猫の体重の中央値(真ん中の値)は4.46kgでした[1]。
ラグドールの日本での平均寿命は15.1歳で、猫全体の14.5歳より長めです[2]。どちらも、アニコム損保の保険の契約データにもとづく2023年度の数字です[2]。病気の欄の「日本の保険データ」は、ペット保険の請求をまとめた白書の数字です(0〜12歳)[3]。保険の請求が多い=その病気で受診した猫が多い目安で、遺伝の証明ではありません。
かかりやすいと言われる病気
海外の研究で、心臓の筋肉に関わる遺伝子の変異(MYBPC3 R820W)が見つかっています[4]。236頭の調査では、変異を2つ持つ猫の寿命の中央値は5.65年でした[5]。1つ持つ猫や持たない猫は15年以上で、影響が大きいのは主に2つ持つ猫です[5]。一方、日本の保険データでは、心筋症の請求は0.9%で、猫全体(1.2%)より少なめでした[3]。
見つけ方:心臓の超音波検査(心エコー)と、血液や頬の粘膜を使う遺伝子検査で調べる方法があります[6]。日本の保険データでは、膀胱炎の請求が6.2%で、猫全体(4.4%)より多めです[3]。ラグドールで、他の種類と比べて請求が多い病気の一つです[3]。
見つけ方:尿検査や超音波検査で調べます。尿がほとんど出ず、苦しそうなときは、尿道がふさがったサインのことがあります。命に関わる緊急の状態とされ、すぐに動物病院へ[7]。日本の保険データでは、原因がはっきりしない嘔吐・下痢・血便の請求が11.3%で、猫全体(8.9%)より多めです[3]。胃腸炎や、ものを飲みこむ誤飲の請求も多く出ています[3]。
見つけ方:嘔吐をくり返す、1〜2日以上食べない、元気がないときは、すぐに動物病院へ[8]。遺伝の病気を、フードで防げるという根拠はありません。この種類の猫でも、ごはんは年齢・体型・暮らし方に合わせて選び、病気は健診で早めに見つけることが大切です。
お世話で気をつけたいこと
- 肥大型心筋症は、初めのうちは症状がないことが多いとされます[10]。健診のときに、心臓の検査について獣医師に聞いておくと安心です。
- 家では、歯みがきが口の健康を保ついちばんの方法とされています[9]。
- 肥満は、糖尿病の大きな危険因子の一つとされます[11]。健康的な体重を保つことが、飼い主にできるいちばんのことだと説明されています[11]。
- 毛の長い猫は1日1回、短い猫でも週に1回のブラッシングが目安です[12]。
出典
- Companion Animal Health and Genetics(O'Neill DG ほか)「Demography, common disorders, cause-specific mortality and life expectancy of Ragdoll cats under primary veterinary care during 2019 in the UK」(2025) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42135828/
- アニコム ホールディングス(アニコム損保の契約データ)「家庭どうぶつ白書2025 第2部 第4章 どうぶつの寿命(2-4-4 猫種別の平均寿命 2023年度)」(2025) www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2.pdf
- アニコム ホールディングス(アニコム損保の保険請求データ)「家庭どうぶつ白書2025 第2部 第2章 品種別の統計(猫)」(2025) www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2_2_2.pdf
- Genomics(Meurs KM ほか)「A substitution mutation in the myosin binding protein C gene in ragdoll hypertrophic cardiomyopathy」(2007) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/17521870/
- Journal of Veterinary Cardiology(Borgeat K ほか)「Association of the myosin binding protein C3 mutation (MYBPC3 R820W) with cardiac death in a survey of 236 Ragdoll cats」(2014) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24906243/
- International Cat Care「Cardiomyopathy (heart disease) in cats」(2025) icatcare.org/articles/cardiomyopathy-heart-disease-in-cats
- Cornell Feline Health Center(Cornell University)「Feline Lower Urinary Tract Disease」(2016) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- Cornell Feline Health Center(Cornell University)「The Danger of Hairballs」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- International Cat Care「Dental Disease in Cats」(2025) icatcare.org/articles/dental-disease-in-cats
- Cornell Feline Health Center(Cornell University)「Hypertrophic Cardiomyopathy」(2025) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- Cornell Feline Health Center(Cornell University)「Feline Diabetes」(2024) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- International Cat Care「Grooming your cat」(2025) icatcare.org/articles/grooming-your-cat
確認日:2026-10-17。このページは獣医師の監修を受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。