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スコティッシュフォールド

まるく折れた耳で人気の種類です。骨や関節、心臓のことを知っておくと、ふだんの変化に早く気づけます。

体の特徴

折れた耳は、遺伝子の変異(TRPV4)によるものです[1]。同じ変異が、手足の先やしっぽの骨・軟骨の育ち方にも影響します[1]。親から1つ受け継ぐだけで現れる、優性の遺伝です[1]。

子猫のときは折れ耳でも、育つうちに耳が立つ猫がいます[2]。日本の研究では、変異を1つ持つ猫の約13%がそうで、見た目だけでは変異の有無はわかりません[2]。日本の調査(2017〜2024年生まれ)では、変異を2つ持つ猫は14.2%から1.9%に減りました[3]。1つ持つ猫は、4〜5割のまま大きく変わっていません[3]。

この種類の日本での平均寿命は13.7歳で、猫全体は14.5歳です[4]。どちらも、アニコム損保の保険の契約データにもとづく2023年度の数字です[4]。病気の欄の「日本の保険データ」は、ペット保険の請求をまとめた白書の数字です(0〜12歳)[5]。保険の請求が多い=その病気で受診した猫が多い目安で、遺伝の証明ではありません。

かかりやすいと言われる病気

骨軟骨異形成症(骨や軟骨がうまく育たず、関節が痛む病気)

折れ耳と同じ遺伝子の変異が、軟骨や骨の育ち方に影響して起こります[6]。痛みの強さは、猫によってさまざまです[6]。病気そのものの治療法はなく、痛みをやわらげるお世話が中心になります[6]。

見つけ方:品種・体の診察・レントゲン検査をもとに診断されます[6]。変異があるかどうかは、遺伝子検査で調べる方法があります[2]。
関節炎(関節が痛む・こわばる病気)

日本の保険データでは、関節炎の請求が1.0%で、猫全体(0.3%)より多く出ています[5]。他の種類と比べてかかりやすい病気の1位でした[5]。歩き方がおかしい、足をかばうといった請求も多めです[5]。

見つけ方:動物病院での診察と、レントゲン検査で調べます[6]。
心筋症(心臓の筋肉の病気)

日本の保険データでは、心筋症の請求が2.2%(猫全体1.2%)で、心臓の弁の病気(弁膜症)も多めです[5]。日本の小さな研究で、肥大型心筋症(心臓の筋肉が厚くなる病気)のこの種類の猫を調べました[7]。18頭のうち7頭が、関係する遺伝子の変異(ALMS1)を持っていました[7]。

見つけ方:心臓の超音波検査(心エコー)で調べます[8]。初めのうちは、症状がないことが多いとされます[8]。関係する遺伝子を調べる方法は、まだ研究の段階です[7]。
多発性嚢胞腎(腎臓に液体の袋がたくさんできる病気)

東京大学の動物病院の調査で、ペルシャなどと並んで、原因の変異(PKD1)を持つ割合が高い種類でした[9]。ただし、種類ごとに調べた頭数は多くありません[9]。

見つけ方:確定の診断は、おなかの超音波検査で行います[10]。遺伝子検査では変異の有無がわかりますが、重さまではわかりません[10]。

遺伝の病気を、フードで防げるという根拠はありません。この種類の猫でも、ごはんは年齢・体型・暮らし方に合わせて選び、病気は健診で早めに見つけることが大切です。

お世話で気をつけたいこと

出典

  1. Osteoarthritis and Cartilage(Gandolfi B ほか)「A dominant TRPV4 variant underlies osteochondrodysplasia in Scottish fold cats」(2016) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27063440/
  2. Animal Genetics(Matsumoto Y ほか/アニコム・麻布大学)「Straightened Small Pinnae in TRPV4 c.1024G>T Heterozygous Cats」(2026) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13147223/
  3. Animal Genetics(Ukawa H ほか)「Genetic Evidence of a Recent Decline and Crossbreed Distribution of TRPV4 c.1024G>T Variant in Domestic Cats」(2026) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13158167/
  4. アニコム ホールディングス(アニコム損保の契約データ)「家庭どうぶつ白書2025 第2部 第4章 どうぶつの寿命(2-4-4 猫種別の平均寿命 2023年度)」(2025) www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2.pdf
  5. アニコム ホールディングス(アニコム損保の保険請求データ)「家庭どうぶつ白書2025 第2部 第2章 品種別の統計(猫)」(2025) www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202512_2_2_2.pdf
  6. International Cat Care「Scottish Fold osteochondrodysplasia」(2025) icatcare.org/articles/scottish-fold-osteochondrodysplasia
  7. PLOS ONE(Akiyama N ほか)「Presence of known feline ALMS1 and MYBPC3 variants in a diverse cohort of cats with hypertrophic cardiomyopathy in Japan(本文)」(2023) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10112785/
  8. Cornell Feline Health Center(Cornell University)「Hypertrophic Cardiomyopathy」(2025) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  9. Journal of Feline Medicine and Surgery(Shitamori F ほか/東京大学)「Large-scale epidemiological study on feline autosomal dominant polycystic kidney disease and identification of novel PKD1 gene variants」(2023) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37489504/
  10. Cornell Feline Health Center(Cornell University)「Polycystic Kidney Disease」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  11. International Cat Care「Arthritis in cats」(2025) icatcare.org/articles/arthritis-in-cats

確認日:2026-10-17。このページは獣医師の監修を受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。