毛玉とブラッシング
毛玉への備えの基本は毎日のブラッシングで、短毛なのによく吐くときは受診を考えます。
- 毛玉は、毛づくろいで飲みこんだ毛が、胃で固まったものです[1]。
- ペルシャやメインクーンなどの長毛の猫は、短毛の猫より毛玉ができやすいとされます[2]。
- 基本は、毎日のブラッシングとコーミング(くしでとかすこと)です[1]。
- 短毛の猫が毛玉をよく吐くのは、病気のサインのことがある、という専門家の見方があります[3]。
毛玉ができるしくみ
猫は毛づくろいのときに、抜けた毛をたくさん飲みこみます[1]。
毛の主な成分(ケラチン)は消化できません[1]。ほとんどは便と一緒に出ますが、一部が胃で固まって毛玉になります[1]。
長毛の猫は、短毛の猫より毛玉のリスクがかなり高いとされます[2]。毛が抜けかわる季節に多く、子猫や若い猫では少ないとされます[2]。
ブラッシングのしかた
コーネル大学(米国)の獣医師は、毎日のブラッシングとコーミングを習慣にするよう勧めています[1]。
ブラッシングを嫌がる猫は、年に1〜2回、動物病院やトリマーで毛をカットしてもらう方法もあります[2]。長毛の猫で、とくに効果的とされます[2]。
受診したほうがよいとき
毛玉を吐くのは「猫なら普通」と思われがちです[3]。でも、短毛の猫の多くで、毛玉を頻繁に出すのは慢性の病気のサインだ、とする専門家の総説があります[3]。
かゆみのある皮膚の病気、ノミ、食べ物が合わないことなどが挙げられています[3]。毛を多く飲みこんだり、お腹の動きが変わったりするためです[3]。
環境省も、日ごろの体調チェックの項目に「毛玉を頻繁に吐く」を入れています[4]。
米国のガイドラインは、吐く回数を獣医師がくわしく聞くよう勧めています[5]。飼い主が「この子には普通」と思っていることがあるためです[5]。
咳は、毛玉が原因ではないとされています[5]。咳が出るときは、受診しましょう。
毛玉のフードについてわかっていること
毛玉への配慮をうたうフードは、たくさん売られています[3]。ただ、効果について公開された客観的な情報はない、と2013年の総説は述べています[3]。
食物繊維を増やした食事の小さな試験では、長毛の猫で、便に出る毛が増えました[6]。短毛の猫では変わりませんでした[6]。フードメーカーの研究所の試験です[6]。
短毛の猫18頭に別の食物繊維を加えた試験では、便に出る毛玉の数も量も変わりませんでした[7]。
どちらも便に出る毛を測った短い試験で、吐く回数や腸のつまりが減るかは調べていません[6][7]。
日本の表示ルールでは、食物繊維のはたらきの説明がある場合に限り、フードに「毛玉」と書けます[8]。
表示が許されていることと、効果が確かめられていることは別です。
今日からできること
- 毎日、短い時間でもブラッシングとコーミングをする[1]。
- 毛が抜けかわる季節は、とくにていねいに[2]。
- 嫌がるなら無理をせず、年1〜2回のカットも考える[2]。
- 吐いた日と回数をメモして、健診のときに獣医師に伝える[5]。
- 短毛なのによく吐く、咳が出るときは、受診する[3][5]。
- 毛玉のフードや下剤を試す前に、獣医師に相談する[1]。
このテーマのフード一覧
このページは一般的な情報です。病気の診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときや、持病のある猫のごはんは、獣医師に相談してください。
出典
- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「The Danger of Hairballs」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「A Hairy Dilemma」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- Cannon M(Oxford Cat Clinic), J Feline Med Surg 15(1):21-9「Hair balls in cats: a normal nuisance or a sign that something is wrong?」(2013) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23254238/
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- AAHA(米国動物病院協会)/ AAFP(米国猫臨床医協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(2):51-72「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20
- Weber M ほか(Royal Canin Research Center), Vet Med Sci 1(1):30-37「Influence of the dietary fibre levels on faecal hair excretion after 14 days in short and long-haired domestic cats」(2015) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29067172/
- Loureiro BA ほか(サンパウロ州立大学), J Anim Physiol Anim Nutr 101 Suppl 1:31-36「Beet pulp intake and hairball faecal excretion in mixed-breed shorthaired cats」(2017) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28627063/
- ペットフード公正取引協議会「ペットフード等の薬事に関する適切な表記の事例集」(2024) pffta.org/pdf/jirei3.pdf
確認日:2026-10-17。このページは獣医師の監修を受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。