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多頭飼いのごはん(器・水・食べる場所の分け方)

猫は本来、ひとりで少しずつ食べる動物です。何匹かいる家では、器と水を猫ごとに用意し、離れた場所に置くことがすすめられています。

器や水を分けたほうがよい理由

猫は、母猫と子猫をのぞけば、ひとりで狩りをして食べることが多い動物とされます。少しずつ何回も、ひとりで食べるのを好むとされています。

そのため、食べ物の取り合いが、猫どうしの対立のもとになることがあります。ふだん避けている猫のそばで食べさせると、不安やストレス、体の不調につながるとされます。

多頭飼いの家では、1匹あたりの食事の場所やトイレが少なくなりがちです。そのぶん、なわばりや猫どうしの対立のリスクが上がるとされます。

猫の獣医学会(米国猫臨床医協会と国際猫医学会)には、暮らす環境についての指針があります。食事・水・トイレ・休む場所などを、複数、離して置くことを柱の1つにしています。取り合いを避けるだけでなく、ストレスやストレスに関係する病気のリスクを下げるとしています。

同じ指針は、家のどの猫にも自分専用の食事の場所を用意し、食事と水も離して置くよう書いています。

いっしょに食べているから仲がよい、とは限りません。食べ物が1か所にしかないので集まっているだけのこともあり、時間をずらして使う猫も多いとされます。

器を分けている家ほど、猫どうしの仲が悪いと答えた調査もあります(北米の2匹飼いの飼い主6,529人)。ただし著者は、仲が悪くなってから器を増やした家が多い可能性を挙げています。分けたせいで仲が悪くなった、という意味ではありません。

猫どうしの緊張のサイン

猫どうしの緊張(仲がうまくいっていない状態)は、多頭飼いの家の62〜88%で見られるという調査があります。

サインは目立たないことが多く、飼い主に気づかれにくいとされます。米国猫臨床医協会の指針(2024年)は、次のようなものを挙げています。

ストレスにうまく対処できないと、トイレをがまんするなどして、膀胱炎などにつながったり悪くなったりすることがあるとされます。

ごはんの前後も見てみましょう。食べてはいても、食事の前ににらんだりたたいたりが増え、急いで食べてすぐ立ち去ることがあるとされます。ほかの猫を避けたい猫が、一気に食べては吐く習慣になることもあります。ふだんの様子の変化は、猫どうしの問題のほか、病気のこともあるとされます。続くときは動物病院に相談しましょう。

食事の違う猫がいるとき(療法食・年齢・体型)

年齢によって、合うごはんは違います。成猫用を子猫に与えると栄養が足りず、子猫用を成猫に与えるとカロリーが多すぎて太る、と環境省は説明しています。

猫の獣医学会の指針も、すべての猫を同じように扱わなくてよいとしています。病気で特別な配慮がいる猫もいるためです。

療法食(病気の食事管理に使うフード)は、獣医師の指導のもとで与えるものです。栄養の特ちょうが総合栄養食と違い、長く不適切に使うと健康をおびやかすおそれがあるとされます。

まとめて置くと、ある猫がほかの猫のごはんを食べてしまうことがあります。食べ物にありつけず、栄養が足りなくなる猫もいるとされます。

年齢の違う猫がいる家では、全成長段階用のフードを選ぶと選びやすい、とコーネル大学は説明しています。その場合も、量は猫ごとに体重を見て決めましょう。

分け方として、次のような方法が挙げられています。根拠の強さは方法によって違います。

犬もいる家では、犬用のフードを猫が食べ続けないようにします。犬と猫では必要な栄養が違い、長く食べると健康上の問題につながるおそれがあるとされます。犬用のフードには、猫に悪影響のおそれがある成分(プロピレングリコール)が入ったものもあります。分け方に迷うときは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。

だれがどれだけ食べたか分かるようにする

室内の猫は、ほかの猫といっしょに1か所で、猫ごとに必要な量を考えずに与えられていることが多い、と指摘されています。

猫が実際に適切な量を食べているかを、飼い主が確かめるよう勧められています。体重と体型は定期的に見ます。高齢の猫や持病のある猫では、とくに大切とされます。

毎日見ている猫だと、やせたのにも太ったのにも気づきにくいものです。

ほかの猫に食べられて、足りていない猫がいることもあります。食べる量が減った猫や、体重が減っている猫がいたら、早めに動物病院へ相談しましょう。

食事のパズルとフードを使った遊び

食事のパズル(転がしたり、前足でかき出したりするとフードが出る道具)は、狩りをまねた自然な食べ方ができるとされます。

パズルや、フードを家のあちこちに隠す方法は、活動を増やし、心と体に刺激を与え、体重の管理にも役立つとされます。

じゃらしを「つかまえる」とカリカリが散らばる遊びも紹介されています。

ただし、パズルの効果は研究が始まって間もない分野です。報告の多くは、ほかの工夫も同時にした例をふり返ったもので、パズルだけの効果は分かっていません。

パズルを使うときも、その猫が必要な量を食べられているか確かめましょう。

今日からできること

このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。

参考にした資料(15件)
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  2. AAFP / ISFM(米国猫臨床医協会 / 国際猫医学会)「2013 AAFP/ISFM Feline Environmental Needs Guidelines」(2013) catvets.com/wp-content/uploads/2024/01/EnvironmentalNeedsGLS
  3. 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(5.Q&A)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
  4. AAFP(米国猫臨床医協会)コンセンサス声明(Sadek T ほか), J Feline Med Surg 20(11):1049-1055「Feline Feeding Programs: Addressing behavioral needs to improve feline health and wellbeing」(2018) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11343346/
  5. 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
  6. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Feeding your cat or kitten」(2025) icatcare.org/articles/feeding-your-cat-or-kitten
  7. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Should I feed my cat wet or dry food?」(2025) icatcare.org/articles/should-i-feed-my-cat-wet-or-dry-food
  8. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Feeding Your Cat」(2026) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  9. Khoddami S ほか(カリフォルニア大学デービス校), Front Vet Sci 10:1128757「Why can't we be friends? Exploring factors associated with cat owners' perceptions of the cat-cat relationship in two-cat households」(2023) www.frontiersin.org/journals/veterinary-science/articles/10.
  10. ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 05.療法食について」 pffta.org/basic/05.html
  11. Witzel-Rollins A ほか(テネシー大学), J Feline Med Surg 24(8):e281-e288「Evaluation of a pet-separating automatic feeder and high-frequency meal feeding for weight loss in multi-cat households」(2022) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10812286/
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  13. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Inappetence in cats」(2025) icatcare.org/articles/inappetence-in-cats
  14. AAHA(米国動物病院協会)/ AAFP(米国猫臨床医協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(2):51-72「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20
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確認日:2026-10-17。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。

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