おやつの量の目安
おやつの上限は、海外の獣医師の団体は1日のカロリーの10%、環境省は20%以内が目安です。あげた分だけ主食を減らします。
- 上限の目安は、WSAVA(世界小動物獣医師会)とAAHA(米国動物病院協会)が1日のカロリーの10%、環境省が20%以内です[1][2][3]。
- 4kgの猫なら、10%は1日およそ22kcalです[1]。ツナの水煮28gで36kcalあり、それだけで超えてしまいます[1]。
- おやつを食事の代わりにしないよう勧められています[1]。あげた分だけ、主食を減らします[3]。
- 遊びやパズルフィーダー(転がすとフードが出る器)など、おやつを足さないごほうびの工夫もあります[1][4]。
1日のおやつは、どれくらいまで?
おやつの上限の目安は、出典によって違います[1][2][3][5]。
理想の体型の健康な成猫なら、4kgで1日225〜250kcalほどが目安とされています[6]。猫によって多くも少なくもなります[6]。
- WSAVA(世界小動物獣医師会):1日のカロリーの10%未満[1]。4kgの猫なら、おやつは1日22kcalまでです[1]。
- AAHA(米国動物病院協会):おやつなどは10%以下にし、総合栄養食を90%以上に[2]
- コーネル大学(米国):10〜15%を超えないのが目安[5]
- 環境省:1日に必要なエネルギーの20%以内[3]。4kgの猫で計算すると、1日45〜50kcalほどです[3][6]。
環境省は、おやつをあげた分だけ主な食事を減らすよう勧めています[3]。WSAVAの数字は、理想の体型の健康な成猫を前提にした目安です[1]。どの目安にするかは、体型や体調を見ながら獣医師と相談しましょう[1]。
総合栄養食とおやつ(間食)の違い
総合栄養食は、毎日の主な食事として与えるフードです[7]。新鮮な水と一緒に与えれば健康を保てるよう、栄養バランスが整えられています[7]。
おやつ(間食)は、ごほうびやコミュニケーションのために与えるものです[7]。欲しがるままにあげて栄養バランスが崩れないよう、1日にあげてよい量や回数が書かれています[7]。
WSAVAは、総合栄養食に足してあげる食べ物は、すべておやつに入るとしています[1]。かむタイプのおやつやサプリメント、薬を飲ませるための食べ物、人の食べ物も含みます[1]。
おやつは、栄養がそろった食事ではないことが多いとされています[5]。栄養のそろわない食べ物が1日のカロリーの10%を超えると、必要な栄養がうすまるとされます[2]。カロリーのとりすぎにもなります[2]。
「一般食(おかずタイプ)」「栄養補完食」などと書かれたフードも、総合栄養食ではありません[7]。主食には総合栄養食を選ぶよう、環境省は勧めています[7]。
おやつと太りやすさ
おやつを「別腹」と思っていませんか、と環境省は呼びかけています[3]。喜ぶからとフードを与えすぎることにも、注意をうながしています[3]。
おやつや人の食べ物を食事に足すと、そのぶんカロリーが増えます[8]。おやつが多すぎると、食事の栄養バランスが崩れたり、思わぬ体重の増加につながったりするとされます[1]。
英国で猫を2歳まで追った研究があります[9]。1歳半のころ「うれしいときにおやつをあげる」家の猫は、2歳で太りぎみになりやすい傾向がありました(約2.7倍)[9]。飼い主の回答による観察研究で、因果関係を示したものではありません[9]。
北米の飼い主337人の調査では、おやつの量を気にかけている人は66%いました[10]。ただ、量り方でいちばん多かったのは「目分量」でした[10]。
太りすぎは、多くの病気のリスクを高めるとされています[8]。もう太っている猫でも、獣医師に相談せずに食事を減らさないよう勧められています[8]。
減量中の猫でも、おやつなどは1日の10%以下に収めるよう、米国のガイドラインは勧めています[2]。量は獣医師と決めましょう。
人の食べ物をあげるときの注意
人の食べ物は、少しの量でもおやつの上限を超えやすいとされています[1]。28gあたりのカロリーは、ツナの水煮で36kcal、皮なしのゆでた鶏むね肉で47kcalです[1]。チェダーチーズは120kcalもあります[1]。
WSAVAによると、この量を1種類あげるだけで、多くの猫で上限を超えるおそれがあります[1]。
人の食べ物には、猫に害になるものもあります[11]。次のものは与えないよう勧められています[1][11]。
- タマネギ、長ネギ、ニラ、ニンニク:赤血球をこわす成分があり、加熱しても分解されません[11]。ハンバーグや、すき焼きの煮汁なども与えないようにします[11]。
- チョコレート、キシリトール入りのガム、ブドウ、干しブドウ[1][11]
- アルコール、カフェインを含む飲み物(コーヒー、緑茶、紅茶など)[1][11]
- 鶏の骨:縦にさけやすく、のどや消化管を傷つけることがあります[11]。WSAVAも、加熱・生を問わず骨は危険だとしています[1]。
- 牛乳や乳製品:乳糖(牛乳の糖分)をうまく消化できない猫が多いとされます[1][5]。
- 生のイカ、貝、カニ、エビ:猫のビタミンB1が足りなくなることがあります[11]。魚介類は加熱するよう勧められています[11]。
加熱していない生の肉などのおやつは、細菌や寄生虫がうつるおそれがあるとされています[1][5]。AAHAとAAFP(米国猫臨床医協会)は、殺菌していない生や乾燥の動物性おやつを勧めていません[12]。持病がある猫や療法食の猫には、一般的なおやつが合わないこともあります[1]。
ごほうびの工夫
おやつは、しつけのごほうびや、楽しみ・刺激になり、猫との絆を深めることもあるとされています[1]。
名前を呼んで来たらおやつをあげる練習は、キャリー(移動用のかご)に慣らすのに使えるとされます[12]。
薬を包めるやわらかいおやつに、子猫のうちから慣らしておく方法も紹介されています[12]。
WSAVAは、おやつ以外で猫と楽しく過ごす方法も考えるよう勧めています[1]。
- じゃらし(釣りざおのようなおもちゃ)で遊ぶ[8]
- パズルフィーダー:転がしたり、前足でかき出したりするとフードが出てくる器です[4]。1日分のフードを小分けにして使う方法が紹介されています[13]。
- 宝さがし:カリカリを部屋のあちこちに隠します[4]。体を動かし、頭も使うとされています[4]。
- じゃらしで「つかまえた」ら、カリカリが少し出てくる遊び方も紹介されています[13]。
今日からできること
- 猫の体重を量り、1日に必要な量とおやつの上限を獣医師に確かめる[1]。
- 今あげているおやつのカロリーを、パッケージで確かめる。書いていなければ、メーカーに問い合わせる[1]。
- おやつは目分量にせず、1日分を朝に取り分けておく。
- おやつをあげた分だけ、主食を減らす[3]。
- 家族で、誰がいつおやつをあげたかを共有する。
- ネギ類、チョコレート、ブドウなど、与えてはいけない食べ物を家族で確認する[11]。
- ごほうびの一部を、遊びやパズルフィーダーに置きかえる[1][4]。
- 体型もときどき確かめる。やり方は「体型の見分け方」にあります。
このページは一般的な情報です。病気の診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときや、持病のある猫のごはんは、獣医師に相談してください。
出典
- WSAVA(世界小動物獣医師会)Global Nutrition Committee「Feeding treats to your cat」(2025) wsava.org/wp-content/uploads/2025/11/WSAVA_GuidetoTreats_Cat
- AAHA(米国動物病院協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(3):153-174「2021 AAHA Nutrition and Weight Management Guidelines for Dogs and Cats」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/2021-nutrition-and-w
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- AAFP(米国猫臨床医協会)コンセンサス声明(Sadek T ほか), J Feline Med Surg 20(11):1049-1055「Feline Feeding Programs: Addressing behavioral needs to improve feline health and wellbeing」(2018) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11343346/
- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Feeding Your Cat」(2026) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- WSAVA(世界小動物獣医師会)Global Nutrition Committee「Calorie Needs for an Average Healthy Adult Cat in Ideal Body Condition」(2020) wsava.org/wp-content/uploads/2020/07/Calorie-Needs-for-Healt
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(2.市販のペットフードについて)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Obesity in Cats」(2025) icatcare.org/articles/obesity-in-cats
- Rowe EC ほか(ブリストル大学), Prev Vet Med 143:39-48「Early-life risk factors identified for owner-reported feline overweight and obesity at around two years of age」(2017) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28622790/
- Nielson SA ほか(ゲルフ大学 オンタリオ獣医大学), PLoS One 19(1):e0296011「Cat caregivers' perceptions, motivations, and behaviours for feeding treats: A cross sectional study」(2024) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38198455/
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(1.最初に知っておきたいこと)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- AAHA(米国動物病院協会)/ AAFP(米国猫臨床医協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(2):51-72「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20
- International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Feeding your cat or kitten」(2025) icatcare.org/articles/feeding-your-cat-or-kitten
確認日:2026-10-17。このページは獣医師の監修を受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。