年齢に合ったごはんの選び方
子猫・成猫・シニアで、ごはんの選び方の何が変わり、何が変わらないのかをまとめました。
- 主食は、そのフードと水だけで栄養が足りる「総合栄養食」から選びます[1][2]。どの成長段階向けかが必ず表示されています[1]。
- 子猫には、成長期用か全成長段階用の総合栄養食を、1歳ごろまで与えます[1][3]。
- シニア用フードに決まった基準はありません[3]。元気なら年齢だけで替える必要はない、という見解もあります[3]。
- 健康なシニアの猫は、たんぱく質を制限すべきではないとされています[4]。
子猫・成猫・シニアの区切りは「目安」
年齢の区切り方は、団体によって少しずつ違います[2][4]。
日本の環境省は、猫の成長期を1年ぐらい、中高齢期を約8〜10歳以降としています[2]。
米国動物病院協会と米国猫臨床医協会の指針は、猫の一生を次のように分けています[4]。
総合栄養食の「成長段階」の表示を見る
「総合栄養食」は、新鮮な水と一緒に与えるだけで、健康を保てるように栄養を整えたフードです[1]。
こう表示するには、分析試験(成分を測る)か給与試験(実際に食べさせる)で基準を満たすことを確かめ、業界の協議会に届け出ます[5]。これは協議会の会員の会社が守るルールです[5]。
おかずタイプなど総合栄養食でないものは、それだけでは栄養が足りません[1]。一緒に与える食事の内容や量が書かれています[1]。
環境省も、主食には総合栄養食を選ぶよう勧めています[2]。年齢や健康状態に合わせたうえで、味や水分量は好みで選んでよいとしています[2]。
総合栄養食には、どの成長段階向けかが必ず書かれています[1]。主な表示は次のとおりです[1]。
子猫には、成長期用か全成長段階用を
子猫は成長が速く、成猫より多くの栄養が必要です[6]。
生後10週の子猫は、体重1kgあたり1日200kcalが必要とされます[4]。生後10か月の80kcalの2倍以上です[4]。
環境省によると、成猫用を子猫に与えると栄養不足になります[7]。逆に子猫用を成猫に与えると、カロリーのとりすぎで太ります[7]。
そのため、子猫には「成長期用」の総合栄養食を選びます[7]。「全成長段階用」も成長期の基準を満たしているので、子猫に使えます[1]。
骨格が育ちきるまで成長期のごはんを続け、猫ではおおむね1歳ごろまでが目安とされています[3]。
コーネル大学は、全成長段階用は、年齢の違う猫を何匹か飼う家庭で選びやすいとしています[8]。成猫に与えるときは、量と体型を見ながら調整しましょう。
大きくなりすぎるのを心配して、子猫のごはんの量を減らさないよう、環境省は呼びかけています[9]。
シニア用フードに、決まった基準はありません
米国の栄養基準(米国飼料検査官協会の基準)には、シニア用の基準がありません[3]。何を「シニア用」とするかは、メーカーの間で合意がないとされています[3]。
日本の総合栄養食の「成長段階」の区分にも、シニア期は挙げられていません[1]。
環境省は、8〜10歳くらいから必要なエネルギーが減るとして、高齢期用のフードを勧めています[7]。
一方、米国動物病院協会の考えは違います[3]。成猫用の総合栄養食で元気なら、年齢だけで自動的に替える必要はないとしています[3]。
どちらの場合も、目を向けたいのは年齢よりも体重と体型の変化です。迷ったら、健診のときに獣医師と相談して決めましょう。
年をとるとやせる猫も。健康ならたんぱく質は減らさない
米国猫臨床医協会の指針では、7〜11歳ごろは必要なカロリーが減るとされています[10]。一方、12歳以上では逆に増えるとされています[10]。
年をとるにつれて、太りすぎより体重の減りのほうがよく見られるようになるとされています[10]。一部の高齢の猫では、たんぱく質や脂肪を消化する力が落ちるとされています[11]。
やせすぎと太りすぎは、どちらも寿命の短さと関係があるという報告があります[12]。
健康な成熟した成猫やシニアの猫は、たんぱく質を制限すべきではないとされています[4]。
10歳を超えた猫には、たんぱく質が消化しやすく、カロリーの高いごはんが勧められています[10]。少しずつ、回数を分けて与えます[10]。
腎臓病などの持病がある猫は、たんぱく質やリンを調整した療法食が役立つことがあります[4]。その場合は獣医師の指示に従ってください。
説明のつかない体重や筋肉の減りは、病気として調べるべきだとされています[10]。「年のせい」と決めつけず、早めに受診してください。
切り替えは、ゆっくり少しずつ
食べ慣れないフードに急に替えると、吐いたり下痢をしたりすることがあります[2]。
環境省は、様子を見ながら1〜2週間かけて、新しいフードの割合を少しずつ増やすよう勧めています[2]。米国の指針は、7〜10日かけるとしています[4]。
今のごはんを取り上げず、新しいごはんを隣の別の器で出すと、猫が自分で選べます[4]。
ストレスで食べ物を嫌いにならないよう、切り替えは病院ではなく家で行うのがよいとされています[4]。
今日からできること
- 今のフードの袋で、「総合栄養食」の文字と成長段階の表示を確かめる[1]。
- 子猫は、成長期用か全成長段階用を1歳ごろまで。量を減らしすぎない[3][9]。
- 体重を月に1回量って記録する。説明のつかない体重の変化は、病気として調べるべきとされています[10]。
- 健診は少なくとも年1回、10歳を超えたら半年に1回を目安に受ける[4]。
- シニア用に替えるかは、年齢だけで決めず、体重と体型を見て獣医師と相談する[3]。
- フードを替えるときは、1〜2週間かけて少しずつ[2]。
このテーマのフード一覧
このページは一般的な情報です。病気の診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときや、持病のある猫のごはんは、獣医師に相談してください。
出典
- ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」 pffta.org/label/required_fair_competition/
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(2.市販のペットフードについて)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- AAHA(米国動物病院協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(3):153-174「2021 AAHA Nutrition and Weight Management Guidelines for Dogs and Cats」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/2021-nutrition-and-w
- AAHA / AAFP (Journal of the American Animal Hospital Association, Journal of Feline Medicine and Surgery 同時掲載)「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 03.ペットフードの目的について」 pffta.org/basic/03.html
- International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Feeding your cat or kitten」(2025) icatcare.org/articles/feeding-your-cat-or-kitten
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(5.Q&A)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Feeding Your Cat」(2026) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- American Association of Feline Practitioners (AAFP) / Journal of Feline Medicine and Surgery「2021 AAFP Feline Senior Care Guidelines」(2021) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10812122/
- American Animal Hospital Association (AAHA) / Journal of the American Animal Hospital Association「2023 AAHA Senior Care Guidelines for Dogs and Cats」(2023) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/2023-aaha-senior-car
- Journal of Feline Medicine and Surgery「Strong associations of nine-point body condition scoring with survival and lifespan in cats (Teng KT et al.)」(2018) pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29393723/
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