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食物アレルギーと除去食試験(症状・期間・検査)

猫の食物アレルギーは、かゆみなど皮膚の症状で気づかれることが多い病気です。確かめる方法は、獣医師と行う除去食試験です。血液検査だけでは決められないとされています。

見られると言われる症状(かゆみ・皮膚・おなか)

食べ物への反応は、おもに皮膚とおなかに出るとされます。

皮膚に出る食物アレルギーの猫210匹の報告をまとめた総説(研究をまとめた論文)があります。ほぼすべての猫に、かゆみがありました。顔や頭がかゆかった猫は、半数ほどでした。首・おなか・耳も、かゆがることが多い場所でした。

よく見られた皮膚のようすは、次のとおりです。どれも、食物アレルギーだけに見られるものではありません。

猫はこっそり毛づくろいをすることがあり、なめすぎで毛が抜けても気づかれにくいとされます。かく・なめる回数が増えたら、動物病院に相談しましょう。かき続けると傷ができ、細菌の感染を起こしやすくなるとされます。長く続く吐き気や下痢でも、早めに除去食試験を考えるよう勧められています。

どのくらい多いと言われている?

食物アレルギーの割合は、どんな猫を調べたかで大きく変わります。猫の9つの研究をまとめた総説では、皮膚に出る食物アレルギーは次の割合でした。

かゆみのある猫502匹を調べた研究では、ノミのアレルギーが29%、食物アレルギーが12%でした。ノミ・食物以外のアレルギーが20%、アレルギー以外の病気が24%です。おなかの症状では、ほかの原因を調べて除いた慢性の猫55匹のうち、16匹(29%)が食べ物に反応していました。ただし研究の多くは大学や専門の病院のものです。食物アレルギーの犬猫の2〜3割は、ほかのアレルギー(ノミ・環境)も同時に持つとされます。

原因になりやすいと報告された食材

原因の食材が1つ以上わかった猫78匹の報告を、まとめた総説があります。多かった順に、次のとおりです。

この順位は、皮膚の症状が出た猫について、食べさせて症状が戻った食材を数えたものです。吐く・下痢の原因になりやすい食材を示したものではありません。また、多くの研究は少しの食材しか試しておらず、本当の割合はもっと高いとみられています。昔からフードによく使われてきた材料が、多く出ているだけかもしれないとも書かれています。おなかの症状の猫の研究では、原因はふだんの食事の材料で、半数は2つ以上の材料に反応していました。

診断は除去食試験で(期間・食事・注意)

食物アレルギーを確かめるいちばん確かな方法は、除去食試験と、その後の負荷試験とされます。負荷試験は、元の食事に戻して症状が出るかを見る試験です。おなかの症状の猫の研究でも、症状や血液検査、腸の組織の検査では診断できないとされています。

除去食試験では、それまで食べたことのないたんぱく源と炭水化物源の食事を、数週間続けます。よくなったら元の食事に戻し、悪くなるかを見ます。もう一度除去食でよくなれば、食べ物への反応と確かめられます。

使う食事は、獣医療チームが選びます。家で作る食事か、たんぱく質を細かく分解した「加水分解食」が使われることがあります。家で作る食事は栄養がかたよるおそれがあり、獣医師などの指導のもとでだけ与えるものとされます。

新しいたんぱく源の例として、鹿肉・うさぎ・あひるなどが挙げられています。何が「新しい」かは、その猫が今まで何を食べてきたかで変わります。

加水分解食は、たんぱく質を壊して、アレルギーのもとを取り除くことをねらっています。ただ、壊しきれずに反応が残ることがあり、元の材料も考えて選ぶとされます。

市販の「限られた材料」のフードを調べた研究では、表示にない材料が見つかった割合は、研究によって33〜83%でした。加水分解のフードを調べた6つの研究では、表示と違ったのは1製品だけでした。海外の製品の研究です。

期間の目安は、6〜8週間とされます。猫40匹のデータでは、4週間で半数、6週間で8割、8週間で9割の猫の症状が落ち着きました。コーネル大学(米国)は、少なくとも8〜10週間としています。

試験の間は、次のことを守ります。

原因とわかった材料は、その後も食事から除くことが、対処の中心とされます。どの材料が原因かは、元の食事の材料を1つずつ戻して確かめます。自己流で始めず、獣医師と計画を立てて行いましょう。

血液検査などの検査と、食物不耐症との違い

食べ物のアレルギーを血液で調べる検査は、多くの国で行われています。しかし、犬や猫の食物アレルギーの診断には信頼できない、と総説はまとめています。

猫では、血液のIgE(アレルギーに関わる抗体)検査の正確さは低かったとされます。同じ血液を分けて調べても、結果がそろわなかった研究もあります。おなかの症状の猫の研究でも、血液のIgE検査は役に立ちにくかったとされます。

リンパ球(白血球の一種)の反応を見る検査は、正確さが高めでした。ただ扱いが難しく、2017年の総説では研究用の検査とされています。猫のデータは、とても少ないのが現状です。

毛やだ液で調べる検査も、満足できる結果ではなかったとされます。環境のアレルギーの検査についても、結果は当てにならないことがある、とiCatCare(国際的な猫の団体)は書いています。

食べ物で体調をくずすことには、食物アレルギー・食物不耐症・食物中毒が含まれます。食物アレルギーは、体の免疫が関わる反応です。免疫が関わらないものを、食物不耐症と呼びます。

身近な例が牛乳で、多くの猫は乳糖(牛乳の糖)をうまく消化できないとされます。乳製品で、おなかをこわすことがあります。

実際には見分けられないことも多く、「食物不耐症」「食事に反応する皮膚病」と呼ばれることもあります。食べ物そのものでなく、添加物や保存料への反応のこともあるとされます。

除去食でよくなっても、アレルギーとは限りません。慢性の腸の病気の猫は除去食によく反応しますが、元の食事に戻して再発するのは一部とされます。おなかの症状の猫の研究でも、55匹中11匹は、元の食事に戻しても再発しませんでした。

今のところ、食物アレルギーを確かめるいちばん確かな方法は、除去食試験とその後の負荷試験とされています。検査の結果だけで食事を決める前に、獣医師に相談しましょう。

今日からできること

このサイトの「合わなかったフードから原因を探す」は、合わなかったフードどうしの原材料の共通点を見つける道具です。アレルギーの診断ではありません。

一方で、除去食には、それまで食べたことのない材料を選びます。これまで食べたフードやおやつの原材料の記録は、獣医師に相談するときの手がかりになります。

このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。

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確認日:2026-10-17。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。

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