キャットフードの表示の読み方(総合栄養食・一般食・間食)
パッケージの表示には、法律で決まった項目と、業界のルールで決まった項目があります。どこを見れば何がわかるのかを、順番にまとめました。
- 主食にするなら「総合栄養食」を選びます。そのフードと水だけで、成長段階に合った健康を保てるように作られています[1][2]。
- 原材料は、使った重さの多い順に書かれています[1]。「肉類」のような分類名だけの書き方も認められています[3]。
- 成分値は、たんぱく質・脂質が「以上」、粗繊維・灰分・水分が「以下」で書かれた保証の値です[4]。リン、ナトリウム、カロリーは、表示の決まりに入っていません[1]。
- ウェットとドライの成分は、水分を除いた「乾物」に直して比べます[5]。
表示には、法律の5項目と、業界のルールがあります
ペットフード安全法という法律で、犬と猫のフードには5つの表示が義務になっています[2][6]。
さらに、業界のルール(ペットフードの表示に関する公正競争規約)が、目的・内容量・与え方・成分の表示も決めています[1][2]。景品表示法にもとづいて、業界がつくったルールです[2]。
パッケージで見る項目は、次のとおりです。
- 名称:商品名と、犬用か猫用か[6]
- 賞味期限:決められた方法で保存したとき、品質や栄養が保たれる期限[2][7]
- 原材料名:添加物も含めて、使ったもの全部[6]
- 原産国名:最後の加工をした国[8]
- 事業者の名前と住所:製造者・輸入者・販売者のどれかも書かれる[6]
- 目的・内容量・与え方・成分:業界のルールで加わる項目[1]
原産国は、原材料がとれた国とは限りません。外国産の生のささみを日本で乾燥させたジャーキーは「原産国:日本」になります[9]。
いちばん大事なのは「総合栄養食」かどうか
フードの目的は、「総合栄養食」「間食」「療法食」「その他の目的食」のどれかで表示されます[8]。
総合栄養食は、毎日の主な食事にするためのフードです[1]。そのフードと水だけで、決められた成長段階の健康を保てるよう、栄養のバランスがとられています[1]。
基準は、米国飼料検査官協会(AAFCO)の基準を元にしています[7]。基準を満たすことは、成分の分析か、実際に食べさせる試験で証明します[10]。
パッケージには、どちらの方法で証明したかが書かれます[1]。この表示は、協議会に届け出た会員の事業者が使えます[10]。
どの成長段階向けかも、必ず書かれます[8]。猫では、幼猫期(成長期)、成猫期(維持期)、妊娠期・授乳期などの区分です[1]。
哺乳期以外のすべての段階に合うものは、「全成長段階」や「オールステージ」と書かれます[8]。
ほかの3つは、次のようなフードです。
- 間食(おやつ):1日に与えてよい量の上限が書かれています[1]。環境省の目安は、1日に必要なエネルギーの20%以内です[11]。海外には10%以内とする団体もあります[12]。
- その他の目的食:「一般食(おかずタイプ)」「栄養補完食」「副食」などです[8]。それだけでは栄養が足りないので、一緒に与えるものや量が書かれています[1][8]。
- 療法食:病気の猫の栄養をささえるため、獣医師の指導のもとで使うフードです[13]。合わない使い方を長く続けると、健康をそこなうおそれもあるとされています[13]。
缶詰やパウチには、総合栄養食もおかずタイプもあります[14]。おかずタイプを主食にしていたことは、猫が太った原因の例にも挙げられています[14]。主食にするなら「総合栄養食」の文字を確かめてください。
原材料は、使った重さの多い順
原材料は、添加物以外のものを、使った重さの多い順に書きます[1]。そのあとに、添加物が続きます[8]。
環境省も、最初のほうに書かれているのがメインの原材料だと説明しています[14]。
「肉類(チキンミール、ポークミール)」のように、分類ごとにまとめて書くこともできます[3]。
「穀類、肉類、油脂類」のように、分類名だけを書くことも認められています[1][3]。
「肉類」には、牛・豚・鶏・七面鳥などの肉や、レバー・ささみなどの部位、チキンミールなどが入ります[3]。分類名だけでは、何の肉かはわかりません。
協議会は、食物アレルギーのあるペットもいることなどから、分類名だけの表示はほとんど見られないとしています[3]。
甘味料・着色料・保存料・増粘安定剤・酸化防止剤・発色剤は、使い道の名前も書かれます[8]。たとえば「酸化防止剤(ミックストコフェロール)」のような書き方です[3]。
「チキン」「まぐろ」などを商品名や写真で強調できるのは、その原材料を5%以上使っている場合です[1]。
成分値は「以上」「以下」で書かれた保証の値
表示が決められている成分は、たんぱく質・脂質・粗繊維・灰分・水分の5つです[1][4]。
たんぱく質と脂質は「◯%以上」、粗繊維・灰分・水分は「◯%以下」と書かれます[4]。
これは、保証できる値として書かれています[4]。たとえば「たんぱく質30%以上」なら、少なくとも30%は入っている、という意味です。
「粗たんぱく質」「粗脂肪」「粗灰分」と書かれることもあります[4]。
リン、ナトリウム、カロリーは、表示の決まりに入っていません[1]。そのため、書かれていないフードもあります。
カロリー(100gあたりのkcal)は、多くのフードに書かれています[2]。
ウェットとドライは「乾物」に直して比べる
パッケージの成分値は、水分を含んだままのフードの重さに対する割合です[4][5]。
米国の食品医薬品局(FDA)によると、缶詰はふつう水分75〜78%、ドライは10〜12%です[5]。
水分が大きく違うフードは、水分を除いた「乾物」あたりに直してから比べます[5]。水分がほぼ同じフードどうしなら、そのまま比べてかまいません[5]。
FDAの例では、たんぱく質12%・水分78%の缶詰は、乾物あたり約55%でした[5]。たんぱく質37%・水分12%のドライは、約42%でした[5]。
表示のままではドライが多く見えますが、乾物で比べると逆になります[5]。
表示は保証の値なので、計算した数字も目安です[4]。
このサイトの商品ページでは、表示をそのまま載せ、乾物あたりにも直しています。
計算のしかたは、次のとおりです。
- 乾物の割合(%)は、100から水分(%)を引いた値[5]
- 乾物あたりの成分(%)は、成分(%)を乾物の割合(%)で割って100をかけた値[5]
- 例:たんぱく質10%以上・水分80%以下のウェットなら、乾物は20%で、たんぱく質は乾物あたり約50%
今日からできること
- 主食のフードに「総合栄養食」と、猫の成長段階に合った表示があるか確かめる[8]。
- おかずタイプや間食は、パッケージに書かれた量と与え方を守る[1][14]。
- 原材料の最初のほうを見る。分類名だけでなく、中身の名前が書かれているかも見る[3][14]。
- ウェットとドライの成分を比べるときは、乾物に直す[5]。
- パッケージの量は目安。体重を週1回ほど量って調整する[11]。
- 賞味期限は開ける前の期限。開けたら早めに使いきる[14]。
このページは一般的な情報です。病気の診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときや、持病のある猫のごはんは、獣医師に相談してください。
出典
- ペットフード公正取引協議会(公正取引委員会・消費者庁 告示/承認)「ペットフードの表示に関する公正競争規約・施行規則」(2024) pffta.org/pdf/regulations.pdf
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(2.市販のペットフードについて)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 08.原材料について」 pffta.org/basic/08.html
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 07.成分(保証分析値)について」 pffta.org/basic/07.html
- U.S. Food and Drug Administration(米国食品医薬品局)「"Complete and Balanced" Pet Food」(2020) www.fda.gov/animal-veterinary/animal-health-literacy/complet
- ペットフード公正取引協議会「ペットフード安全法に基づく必要表示事項について」 pffta.org/label/required_safety_pet_food/
- ペットフード公正取引協議会「表示に関するQ&A」 pffta.org/faq/
- ペットフード公正取引協議会「公正競争規約に基づく必要表示事項及び表示制限について」 pffta.org/label/required_fair_competition/
- 農林水産省「正しく表示していますか ペットフードの原産国」(2014) www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/petfood/pdf/gensan_koku_1405
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 03.ペットフードの目的について」 pffta.org/basic/03.html
- 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
- International Cat Care(iCatCare)「Should I feed my cat wet or dry food?」(2025) icatcare.org/articles/should-i-feed-my-cat-wet-or-dry-food
- ペットフード公正取引協議会「表示の基礎知識 05.療法食について」 pffta.org/basic/05.html
- 環境省「知って納得!ペットフードの表示」(2011) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2305b/full.p
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