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高齢の猫が食べないとき(理由・受診の目安・家での工夫)

猫は、短い間でも食べないと体に大きく響きます。「年のせい」と様子を見ず、食べる量が減ったら早めに動物病院へ相談しましょう。

食べないことが危ない理由と、受診の目安

猫は、短い間食べないだけでも肝臓の病気になることがあるとされます[1]。いつもより食べない日が1日でもあれば、体に悪いことがあるとされています[1]。

食べないことと深く関わる肝臓の病気に、肝リピドーシス(肝臓に脂肪がたまる病気)があります[5]。すぐに手当てしないと、命にかかわることがあるとされます[5]。

この病気は、ほとんどの場合、食べなくなるのと同時か、その後に起こるとされます[5]。太った猫に多いとされますが、ふつうの体型の猫にも起こります[5]。

コーネル大学は、大人の猫でも、24時間食べないだけで体に大きく響くことがあるとしています[6]。環境省も、猫は3日以上食欲がないと健康に影響が出る危険があるとしています[7]。

猫が食べないのは、ただ「食べないと決めた」からではない、ともコーネル大学は説明しています[6]。「お腹がすけば食べる」と待たず、早めに相談しましょう[1]。

いつもより食べない、またはまったく食べないときは、できるだけ早く動物病院へ連絡します[1]。食欲が落ちて3日以上たつなら、急いで連絡しましょう[1]。次のようなときも、早めに受診を。

ぐったりしている、1〜2日以上食べない、吐くことをくり返すときは、すぐ動物病院へ[10]。耳の皮ふや歯ぐきが黄色っぽいときも、すぐ相談を。肝リピドーシスの猫で見られることがあるとされます[5]。

高齢の猫が食べなくなる主な理由

猫が食べなくなる理由は、たくさんあるとされます[3]。よく挙げられるのは、次のようなものです。

歯の痛みは、家では気づかれにくいとされています[2]。説明のつかない体重の変化は、病気として調べるべきとされます[2]。「年のせい」と決めつけないでください。

病院ですることと、食欲を出す薬

病院では、体重や体温、内臓のようすなどを診ます[6]。歯と歯ぐきもよく診ます[6]。歯の病気の痛みが、食べない原因になっていることが多いためです[6]。

原因を探しながら、まず食べられるようにする手当てをすぐ始めるとされています[6]。原因の病気や痛み、吐き気、ストレスを早くおさえることが大切とされます[4]。

吐き気止めや痛み止め、食欲を出す薬で、食欲が戻ることがあります[4]。海外では猫用に承認された食欲を出す薬があり、耳の内側に塗るタイプもあります[4]。

ただし、食欲を出す薬は、原因を調べる代わりにはならないとされています[4]。脱水や貧血、吐き気、痛み、熱などがあれば、その手当ても必要です[4]。

腎臓や肝臓の病気がある猫では、薬の量や間隔を慎重に決めるとされています[4]。使うかどうか、どの薬にするかは、獣医師が体の状態を見て決めます。

場合によっては、チューブで栄養を入れることもあります[1]。ストレスを少なく、栄養や薬を入れられる方法とされています[1]。

人の薬を、自己判断で飲ませないでください。人の薬は、それ自体が吐く原因になることがあります[9]。

家でできる工夫(獣医師に診てもらったうえで)

次の工夫は、獣医師が病気を調べたあとや、手術やストレスからの回復中に試すものとして紹介されています[3]。うまくいかないときは、もう一度獣医師に相談します[3]。

無理に食べさせないでください。注射器で流しこんだり、口に押しこんだりすると、強いストレスになり、重い合併症のおそれもあります[3]。食べること自体を嫌がるようになることもあります[3]。療法食に替えるのも、体調が戻ってからにするよう勧められています[3]。

体重を記録する

年をとると、太りすぎより、体重の減りのほうがよく見られるようになるとされます[2]。

家で体重や体型を見てもらうと、悪い変化に早く気づけるとされています[2]。小柄な猫は、減った量が少なくても、割合で見ると大きな変化のことがあります[2]。

食欲が落ちた猫は、獣医師の勧めに合わせて体重を量ります[1]。週1回くらいになることが多いとされます[1]。環境省も、ふだんから週1回くらい量るのをすすめています[7]。

人が抱いて体重計に乗り、自分の体重を引く方法は、小さな変化を見のがしやすいとされます[1]。赤ちゃん用の体重計のほうが正確です[1]。

量った体重は、かかりつけの獣医師に伝えましょう[1]。

説明のつかない体重の変化は、病気として調べるべきとされています[2]。減ってきたら、早めに相談しましょう。

今日からできること

このページは一般的な情報です。病気の診断や治療の代わりにはなりません。気になる症状があるときや、持病のある猫のごはんは、獣医師に相談してください。

出典

  1. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Inappetence in cats」(2025) icatcare.org/articles/inappetence-in-cats
  2. AAFP(米国猫臨床医協会)(Ray M ほか), J Feline Med Surg 23(7):613-638「2021 AAFP Feline Senior Care Guidelines」(2021) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10812122/
  3. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「How to encourage your cat to eat」(2025) icatcare.org/articles/how-to-encourage-your-cat-to-eat
  4. ISFM(国際猫医学会)コンセンサスガイドライン(Taylor S ほか), J Feline Med Surg 24(7):614-640「2022 ISFM Consensus Guidelines on Management of the Inappetent Hospitalised Cat」(2022) pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11107985/
  5. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Hepatic Lipidosis」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  6. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Anorexia」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  7. 環境省 自然環境局 動物愛護管理室「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~(4.体調管理について)」(2018) www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide
  8. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Feeding Your Cat」(2026) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  9. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Vomiting」(2021) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  10. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「The Danger of Hairballs」 www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  11. International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Feeding your cat or kitten」(2025) icatcare.org/articles/feeding-your-cat-or-kitten
  12. Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「How Often Should You Feed Your Cat?」(2024) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
  13. AAHA(米国動物病院協会)/ AAFP(米国猫臨床医協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(2):51-72「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20

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