水を飲みすぎるとき(量り方・受診の目安)
猫が飲む水の量は、食べるフードで大きく変わります。いつもより多く飲む、おしっこが増えたときは、病気のサインのことがあります。水は減らさず、量を量って動物病院に相談しましょう。
- ウェットフードの猫は水分の多くを食事からとり、ドライが中心の猫は自然に多く飲みます。比べる相手は、その猫のいつもの量です。
- 体重1kgあたり1日100mLより多く飲んでいたら、ふつうより多いとされます。それより少なくても、いつもより多ければ受診が勧められています。
- 多く飲む原因で多いのは、腎臓病・糖尿病・甲状腺機能亢進症などとされます。何が原因かは、血液と尿の検査で調べます。
- 水は減らさないでください。器をふちまで満たし、24時間後の残りを量って伝えましょう。
猫が1日に飲む量は、フードで変わる
ふだん飲む水の量は、食べるものによって変わります。ウェットフードの猫は、必要な水の多くを食事からとります。ドライフードが中心の猫は、自然に多く飲むとされます。
ウェットフードは、最大80%が水分です。ウェットの猫は、飲む姿をほとんど見ないこともあります。飲む姿をたまにしか見ないのは、ふつうのことです。
コーネル大学(米国)は、1日に必要な水分の目安を挙げています。脂肪を除いた体重約2.3kgあたり、約120mLです(1kgあたりおよそ50mL)。ただし、ウェットの猫は、飲む量がこれより少なくなることがあります。
「多い」の目安は、体重1kgあたり1日100mLを超えることとされます(4kgの猫なら400mL)。
吐いたり下痢をしたりしたあとや暑い時期には、失った水を補うために多く飲むこともあります。
大切なのは、その猫のいつもの量と比べることです。飲む量の変化は、健康の問題のサインのことがあるとされます。ウェットからドライに替えると、飲む量が増えるのは自然なことです。
飲む量・おしっこが増えるのは、病気のサインのことも
いつもより多く飲むのは、何かおかしいサインのことがあります。多く飲むことを「多飲」、おしっこが増えることを「多尿」といいます。この2つは、たいてい一緒に起こるとされます。
多く飲む原因として、次のようなものが挙げられています。腎臓病と甲状腺機能亢進症のように、サインが重なる病気もあります。
- 慢性腎臓病:7歳以上の猫に多く、15歳を超える猫の20〜50%にあると推定されています。尿を濃くできなくなり、補うために多く飲むようになるとされます。初期は、はっきりしたサインがないことがとても多いとされます。
- 糖尿病:中高年の猫や、オス、太り気味の猫に多いとされます。家で気づかれやすいのは、よく食べるのにやせることと、よく飲んでおしっこが増えることです。
- 甲状腺機能亢進症(甲状腺のホルモンが出すぎる病気):中高年の猫に多く、7歳未満ではまれとされます。体重が減る、よく食べる、よく飲む、落ち着かないなどが見られます。
- 血液のカルシウムが高い状態や、肝臓の病気でも、多く飲むことがあります。
- 尿の感染や熱、ステロイドなどの薬で、飲む量やおしっこが増えることもあります。
「よく飲むから〇〇病」とは決められません。原因はたくさんあり、獣医師はふつう血液と尿を調べて原因を探すとされます。腎臓病のサインは、飼い主に見落とされやすいとも言われます。
家での量り方
水の器に通う回数が増えたと感じたら、24時間に飲んだ量を量ってみましょう。
水の器が早く空になる、蛇口やトイレ・洗面台・浴槽など、いつもと違う場所で飲むのもサインのことがあります。トイレに行く回数や、尿の量が増えることもあります。
環境省も、日ごろ観察したいことに、飲水量(異常に多い・少ない)を挙げています。尿の回数・量・におい・色も、観察したい項目です。
- 水の器をふちまで満たし、入れた量を量っておきます。
- 24時間後に残った量を量り、入れた量から引きます。器がいくつかあるときは、全部で同じようにします。
- 体重1kgあたり100mLを超えていたら、ふつうより多いとされます。体重は、ふだんから週1回くらい量るのがおすすめとされます。
- ほかのペットと器を共有している猫や、外で過ごす時間が長い猫は、量りにくくなります。ストレスにならなければ、24時間だけ分けて量る方法もあります。
尿をとって持っていくと、診察に役立つことがあります。吸わないタイプの猫砂を、トイレに入れます。動物病院やペットショップで手に入ります。猫がしたらトイレをかたむけて尿を隅に集め、スポイトでとります。容器に入れてふたをしっかり閉め、名前・日付・時間を書きます。
受診の目安と、伝えるとよいこと
いつもより多く飲む猫は、すべて獣医師に診てもらうよう勧められています。体重1kgあたり1日100mLを超えるときは、とくにです。
量れなくても、水の器に通う回数が増えたことを伝えましょう。量ったなら、その量を伝えます。
吐くことがある猫で、よく飲む、おしっこが増えた・減ったといったようすもあれば、早めに受診しましょう。
受診のときは、次のことを伝えると役立ちます。
- 24時間に飲んだ量と、量った日
- おしっこの回数・量・におい・色の変化
- 食欲と体重の変化(よく食べるのにやせる、など)
- 吐いた、下痢をした(失った水を補うために多く飲むことがあります)
- 飲んでいる薬(ステロイドなどで、飲む量が増えることがあります)
- フードの種類と、最近替えたかどうか(ウェットかドライかで飲む量が変わります)
トイレに何度も行くのにおしっこが出ない、数滴しか出ないときは、すぐ動物病院へ。尿道がふさがると命に関わるため、すぐの処置が必要とされます。吐く、下痢、食べない、倒れるといったときも、すぐ連絡しましょう。重い糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシス)で見られるサインとされます。
水を減らしてはいけない
飲む量が多くても、水を取り上げたり減らしたりしないでください。
多く飲むのは、体から出ていく水を補うためのことがあります。腎臓病では、尿を濃くできないぶんを、飲んで補っています。糖尿病では、尿に出た糖が水を引きこみ、尿が増えて脱水になりやすいため、喉が渇くとされます。
慢性腎臓病の猫では、脱水が腎臓の傷みを早め、症状を悪くすることがあるとされます。高齢の猫では、体の水分の状態がとても大切とされます。腎臓病や糖尿病では、体の水分が少しずつ失われるためです。
脱水のサインは、元気がない、弱っている、食欲がない、歯ぐきが乾いている、重いときは目が落ちくぼむ、などです。脱水が心配なときは、早めに獣医師に連絡します。
おしっこが増えて粗相が心配なときも、水は減らさず、きれいなトイレをいつも用意しましょう。
今日からできること
- 元気なうちに一度、24時間の飲水量を量り、体重と一緒にメモしておく。
- フードをウェットからドライに替えたら、飲む量も増えると覚えておく。
- 水の器を何か所かに置き、ごはんの器から離す。広く浅い器を好む猫が多いとされます。
- トイレをきれいに保ち、おしっこの回数や量の変化に気づけるようにする。
- 吸わないタイプの猫砂とスポイトを用意しておくと、尿をとりたいときに慌てずにすむ。
- 水を取り上げたり減らしたりしない。
- 少なくとも年1回、10歳を超えたら6か月に1回は健診を受ける。
このページは、飼い主さん向けの一般的なお話です。気になる様子があるときや、持病のある子のごはんは、かかりつけの先生に相談してくださいね。
参考にした資料(16件)
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- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Hydration」(2021) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
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- International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「Feline idiopathic cystitis (FIC) in cats」(2025) icatcare.org/articles/feline-idiopathic-cystitis-fic-in-cats
- Cornell Feline Health Center(コーネル大学獣医学部)「Feline Lower Urinary Tract Disease」(2016) www.vet.cornell.edu/departments-centers-and-institutes/corne
- International Cat Care(iCatCare。ISFMの母体の慈善団体)「How to encourage your cat to drink」(2025) icatcare.org/articles/how-to-encourage-your-cat-to-drink
- AAHA(米国動物病院協会)/ AAFP(米国猫臨床医協会)、J Am Anim Hosp Assoc 57(2):51-72「2021 AAHA/AAFP Feline Life Stage Guidelines」(2021) www.aaha.org/globalassets/02-guidelines/feline-life-stage-20
確認日:2026-10-17。獣医師の監修は受けていません。上の資料をもとに、運営者がまとめています。